中小企業診断士長元耕司のホームページ
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企業の社会的責任(CSR)について
【CSRの定義】
CSRはCorporate Social Responsibilityの頭文字です。Corporateは「企業」、Socialは「社会的な」、Responsibilityは「責任」を意味し、CSRは「企業の社会的責任」を意味します。私たち個人と同様、企業も社会の一員ですので、社会ルールをしっかり守り、可能な範囲で社会に貢献する責任を負っています。したがいまして、CSRとは「企業が社会の一員として、社会のルールを守り、可能な範囲で社会に貢献する責任」のことであり、社会と良好な関係を保ちながら事業を行うことは、企業の持続的な成長につながります。
【ステークホルダーとは】
CSRにおいては、「社会との良好な関係を保つこと」が重要ですが、企業がCSRに取り組む際、「社会」を「ステークホルダー」という言葉に置き換えると理解しやすいと思います。つまりCSRにおいては、「ステークホルダーとの良好な関係を保つこと」が重要であるといえます。ステークホルダーとは、企業活動によって直接的あるいは間接的に影響を受ける利害関係者のことを指します。通常、経営者が念頭に置くステークホルダーは、以下の通りです。
・顧客(最終ユーザー、消費者)
・取引先(仕入業者、流通業者、物流業者、販売先等)
・従業員
・株主
・債権者
・金融機関
・地域社会
・政府、行政
・利益団体(業界団体、労働組合等)
・環境(近年、環境も社会の重要な一員ととらえられている)
【CSRに取り組むメリット】
繰り返しになりますが、CSRとは「企業が社会の一員として、社会のルールを守り、可能な範囲で社会に貢献する責任」のことであり、企業がCSRに取り組み、社会的責任を果たすことにより、当該企業の持続的成長につながります。
具体的には以下のようなメリットがあります。
■存在意義の明確化
企業は、顧客ニーズに対応した商品・サービスを提供して利益を得ます。一方顧客は、その商品・サービスを買って使うことで、顧客自身が抱える問題を解決します。つまり、「顧客が抱える問題を解決すること」が、「顧客に提供する価値そのもの」であり、「顧客ニーズ」であるといえます。このように企業は、社会の一員である顧客が抱える問題(≒社会問題)を、事業を実施することで解決し、自社の持続的な成長につなげています。このように、本業を通じた社会問題の解決は、社会の一員である顧客に対して社会的責任を果たしているといえます。そして、企業・顧客・社会の相互メリットにつながるだけでなく、企業の存在意義そのものを明確にします。ちなみに、上記企業活動は本業を通じて行われるのに対し、本業の余力をもって行われる、事業にあまり関わりのない企業活動としては、フィランソロピー(慈善活動)や寄付等が挙げられます。
■不祥事の未然防止
CSRに取り組むことで、不祥事を未然に防止できます。あらゆる不祥事は、消費者や従業員、取引先、地域社会等、ステークホルダーに対する責任回避行動から生まれるものです。不祥事は、企業イメージを著しく傷つけ、企業の存続そのものを危うくします。ゆえに、不祥事を未然に防止するためには、CSRへの取り組みが欠かせません。
■人材の定着
「社会的責任をしっかり果たしている企業」いう評価が定着すると、人材採用にプラス作用が働くとともに、従業員のモチベーションも向上し、結果として、人材定着化につながります。
■選択基準
CSRに積極的に取り組む企業の商品・ サービスを優先的に購入したいという消費者や、CSRに取り組んでいない企業からは原材料等を購入しないという企業が増えています。また同様な価値観で、投資を検討する投資家も増えています。CSRに積極的に取り組む企業は、顧客や取引先、投資家等からの支持を獲得することができ、結果的に持続的成長を図れるというわけです。